つながり(20100115)
停電の中、ろうそくの明かりを頼りに日記を書く。
なんか、懐かしい。
鳴り止まないクラクションの音、
生暖かい風を運ぶファン、
聞いたことのない言葉の音律、
初めてなのに、なぜか懐しい。旅の始まりを全身で感じた。
ただ、今までの旅とは少し違う。
隣りには尊敬する元上司がいて、
どこかで日本と繋がっている。
途上国の人の優しさとパワーに惹かれた過去と、
そんな途上国を舞台に働く未来を繋ぐ。
今日1番の繋がりは、やはりバッグだった。
日本の百貨店で見るバッグがここバングラにある。
あいにく、今日は休みのため、工員の皆はいなかったが、
バッグを見てまた一歩日本との距離が縮まった気がした。
今回の旅では一つ一つの繋がりを大切にして行きたい。
マトリゴール(20100116)
「マトリゴール」
ベンガル語で「マザーハウス」と言う意味であり、
ここダッカにある工場の名前でもある。
テレビやネットを通じて何度も思い描いていた場所にようやく来れた。
工員みんなが生き生きと働いている。
生産マネージャー達は
「誇りを持ち、やりがいを感じながら仕事をしている。
この仕事につけて本当に良かった」
と僕に教えてくれた。
話してるときの彼の目は凄く輝いてて、その言葉は僕の心の深いところまで響いた。
一人の女性から始まった想いは、
ここまでしっかりと根を張っていて、
彼ら自らが花を咲かせようとするこの工程こそが、
これから目指すカタチなんだと思った。
社会企業(20100117)
約一日かけて提携工場の視察へ。
バングラでもトップクラスのその工場は、
思っていたよりもずっと大きく、設備も充実していた。
設立してまだ3年ほどの会社がここまで成長した秘訣は、
マネージャーの言葉に集約されていた。
「もっともっと工場を大きくしたい。
そしたら、より多くの家族を養うことができるんだ。」
現在、日本では社会企業という言葉が流行っている気がするが、
この工場を社会企業と言わないで何と呼ぶのだろう?
現地にも優秀な人材と熱い想いがある会社が存在するということを、
恥ずかしながら初めて体で理解した。