「今の行政はあてにならない」
こんな愚痴を聞いたことはありませんか?
もしくは思ったことはありませんか?
起業家ジェニファー・パルカさんは、この意識を変え、政府と市民を繋げようと活動しています。彼女たちが実践してきた、政府を自分たちの「手」でよくする方法をご紹介しましょう。
NPO「コード・フォー・アメリカ」とは?
ジェニファーさんが代表を勤めるNPO「コード・フォー・アメリカ」では、優秀なIT技術者を、市役所などの地方自治体に1年間休職派遣するプログラムを実施しています。
例えるならピースコープ(日本でいう青年海外協力隊)のような活動。途上国ではなく、市役所という未開の地で、自らの技術を生かすのです。
時間とお金のかからない市民向けサービスの開発
「コード・フォー・アメリカ」では、大雪や津波などの災害対策アプリをはじめ、既に数十の市民向けITサービス(アプリケーション)を開発しています。
親たちが子供にふさわしい公立高校を選ぶサポートWEBサービスは、3人の開発者により2か月半で作られました。通常であれば、2年の時間と1.5億円近い費用が掛かる事業です。
時間もお金もかからない、住民の役に立つサービスはこのようにして増えてきています。
インターネットを活用した新しい市民参加型行政
「コード・フォー・アメリカ」の最も大きな功績は、市民の意識改革だと言われています。
行政サービスをアプリ化することで、市民は行政を「使うもの」だと認識しました。許可や指示を待つのではなく、自発的に意見を出し、改善していくものだと思い始めたのです。
目に見えない政府にただ期待するのではなく、オープンなインターネット上で改善案を交換し合い、自分たちの「手」で問題を解決していく。このような意識の変化が市民の中で広がり、行政の在り方が少しずつ変わり始めています。
行政は選挙にいくだけで変わるものではありません。一人一人が行政サービスに対してユーザーとしての視点を持ち、問題を解決していく姿勢が不可欠なのです。
この流れを作るために、「コード・フォー・アメリカ」は若い世代とインターネットの可能性を信じ、政府と市民を繋げるという大きなミッションに挑戦しています。
今回のカギ
プレゼンの最後のフレーズが素晴らしかったのでご紹介します。
■声をぶつけ合うのではなく、手を動かしあおう!
ただ文句を言うことなら誰でもできますが、実際にアクションを起こしている人は少ないのではないでしょうか?
「コード・フォー・アメリカ」は、まさに「手」を動かして社会をより良くしようとしています。ユーザーも「手」を動かしてサービスの良し悪しをフィードバックして、より良い社会に近づいていきます。
「行政に不安のある方は、自分の「手」を見て、何ができるかもっと考えましょう」
こんなメッセージ(カギ)をもらいました。しっかり考えてみます。
動画情報
約12分の動画です。日本語字幕もありますので、ぜひご覧下さい。
Jennifer Pahlka “Coding a better government”
ジェニファー・パルカ「よりよい政府をコーディングする」
※iPhone/Android等スマートフォンからはこちらの動画をご覧下さい↓
[1分TED]について
「TEDを見たいけど、英語が苦手。」
「10分は少し長い、見る時間がない。」
そんな声から、1分間で動画の魅力がわかるTED紹介、略して[1分TED]は始まりました。この記事を読んで、少しでもTEDの楽しさや面白さが沢山の人に伝わればと思っています。
NHKでも毎週月曜、夜11時から放送されていますので、ぜひご覧いませ。
スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンラインそれでは、これからも楽しいTEDライフを!
@3_wa