昨日に続き、京都大学・飯吉先生から頂いたアドバイスのご紹介を。
今回は、映像教育を途上国で推し進めて行く上でぜひ意識すべき2つのポイントについて。どちらも貴重な学びでした。
学校以外の教育ではPULLが重要
映像教育に関わらず、義務教育から外れた教育では、生徒を惹き付ける何か強い力(先生はこれをPULLと呼んでいました)が必要です。
大学受験対策の予備校が分かりやすい例でしょう。受験合格という強いPULLがあるからこそ、生徒や親達は年間100万円近いお金を費やすのです。
他にも高校卒業試験(日本でいう大検)突破や資格取得もPULLの一つです。途上国に限って言えば、将来得られる金額(=生活の質)の向上がやはり何よりも強いPULLとなり、ここから教育のコンテンツを考えて行かなければなりません。
コンテクスト(状態)も考えよう!
PULLを考えるときは、一つ注意しなければならないことがあります。
それは教育を届ける相手の置かれている学習環境や社会情勢をはじめとしたコンテクスト(状態)を考えることです。
例えば、パソコンがあったからといってインターネットに繋がるわけではありません。また、難関大学合格を目指す学生であっても、それまで学習基礎が身に付いていなければ、いきなり高度な教材を与えても意味がありません。
ユーザーの課題を考えることは非常に重要ですが、それと同じくらいユーザーの置かれているコンテクストを正確に把握することが重要です。
教育は「釣り」に似ている?
少し語弊があるかもしれませんが、PULLとコンテクストの話を聞いた時、「釣り」を思い浮かべました。
魚がいるポイントを見定め、さらには魚達が何(エサ)を求めているのかを見極めて、あとは魚達が食い付いてくれるのを待つのが釣りです。
PUSHするのではなく、あくまでPULLで。特に映像教育は、ユーザーの自主的な努力なくして効果はなく、こちらから一方的に押し付けても良い結果は始まりません。
もっと沢山の子どもたちに教育を届けるために、PULLとコンテクストをこれから更に考えていこうと思います!