最近、本の電子書籍化がどんどん進んでいます。
iPad mini、Google Nexus 7、Kindle Paperwhiteなど電子書籍の読書に最適なタブレットデバイスが登場しました。
更に、先日はKindleストアがオープンし、日本語書籍5万点、洋書140万冊の電子書籍がWEB上で販売されました。この波は更に加速するでしょう。
今回お伝えしたいのは、「週刊誌の電子書籍化」についてです。出版社にとっても大きなメリットがあると思っており、その魅力をご紹介します。
本の電子書籍化が進むであろう7つの理由
書評で有名なブログ「Blogで本を紹介しちゃいます。」で以下のエントリーが紹介されていました。
週刊少年ジャンプが「Kindle」で発売される日。:Blogで本を紹介しちゃいます。この記事を参考に、週刊誌の電子書籍化が進むであろう7つの理由をご紹介します。
1.エコである
週刊少年ジャンプは毎月1000万部捨てられていることをご存知ですか?
週刊誌の多くは捨てられてしまうのがほとんどです。これまで購入した全てのジャンプをきちんと保管している人を見たことがありません。
再生紙を活用していても、新刊を発行するときには新しい紙が消費されます。本の電子化は資源の節約に繋がるのです。
2.低価格で販売可能
Kindleの本は、紙の本で購入するより100円程度値引きして販売されています。この値引きは出版にかかる紙のコストが大きいでしょう。
これを週刊誌に当てはめると、例えば少年ジャンプなら240円が140円になります。これは消費者にとっても嬉しいことです。
ジュースと同じ感覚で雑誌が変える時代。ぜひ見てみたいものです。
3.在庫管理コストもいらない
本の電子化によって、もう一つ削減できる大きな費用が、在庫管理コストです。毎週280万部発行しているジャンプであれば、相当なコストでしょう。
そして適切な販売数を計算する手間も不要になります。電子書籍なら、読者が何人増えたとしてもコストは同じだからです。
本を保持しておく倉庫(建物と土地)のコストなど、大きな経費削減になるでしょう。
4.定期購読との相性が良い
すでに多くの月刊誌で導入されている定期購読。リピーターが多い週刊誌も相性が良いはずです。
週刊誌が定期購読できない理由は運送コストにありました。しかし、月4回の搬送コストが、電子データなら0円で済むのです。
ジャンプなどであれば、年間定期購者の沢山いるでしょう。定期購読割引があれば、読者にとっても嬉しいに違いありません。
5.新たな広告収入の獲得
多くの週刊誌には広告ページというものが存在します。企業がお金を払って広告枠を買って掲載しているのです。
しかし、広告の中心はすでにWEB上にシフトしています。ネット広告ならすぐに商品購入に繋がるからです。
オンラインの週刊誌であれば、広告枠をもうけることは難しくありません。これは新しい広告収入が増やす戦略になるでしょう。
6.アンケートの調査の回収率アップ
少年ジャンプの最後には人気投票のアンケートがあります。この投票が連載の継続を決める重要なツールであることはご存知の方も多いでしょう。
しかし、アンケートの回収率はそこまで高くないようです。きっとハガキを書いて応募するのにひと手間かかるからでしょう。
ネットならアンケートの記入は一瞬です。もしアンケート回答により特典などがあれば・・・私もきっとやりますね。
7.海外ユーザーの獲得
これは私自身の体験ですが、海外勤務の多い人にとって、電子書籍は非常にありがたい存在です。
海外で暮らしている日本人家族も多く存在します。大人だけでなく、海外で暮らしている子供たちも沢山いるのです。
日本に帰国して本を大量購入する時代は終わり、海外でワンクリックで購入できる時代がやってきました。きっと多くの方が待ち望んでいた変化です。
しかし、電子書籍販売できない理由はたくさんある
私は一読者として、週刊誌の電子書籍販売を願っていますが、それが実現しない理由もいっぱいあります。
特に大きな問題が雑誌の出版関連業者との取引に係る問題でしょう。
雑誌の印刷をしている印刷業者、その紙を生産している業者、雑誌の在庫を保管している業者など、多くの方々の取引に響くお話です。
また紙媒体の読者をターゲットにした広告掲載企業との関係も留意する必要がありますし、大手販売取引先のコンビニとの関係もあるでしょう。
上であげた内容はまだまだ氷山の一部です。今の体制が崩せない複雑な理由がたくさん存在するのです。
それでも電子書籍を始めるべき理由がある
電子書籍化が進まない複雑な理由があっても、やはり週刊誌の電子書籍化は必ず実現すると思っています。
その理由は電子書籍化を願う読者が増えているからです。
私の周りでも、この1年間でiPadなど電子書籍リーダーを持つ人が格段に増えました。私自身もその一人です。
週刊誌を読む人たちの希望が増えれば増えるほど、出版社は顧客のためにどうしても変化が求められます。
今はまだ週刊誌の電子書籍化は実施されていませんが、週刊ジャンプのような週刊誌も電子書籍化する日がくると信じています。
今回のカギ
今回のカギは、
電子書籍化の波を作るのは、読者自身である
ことです。
このブログのように、積極的に声を発信していくことが出版の流れを考える力になると信じています。
最後にもう一度。
私は、低価格で、どこでも購入できる週刊誌の電子書籍化を、一人の買い手として望んでいます。
アンケートの回収率が上がり、新規広告を打ち出すことができ、コスト削減に繋がるのは売り手にとっても望ましいはずです。
資源の節約になるのであれば、それは地球にとっても望ましいことであるでしょう。
買い手良し、売り手よし、社会良し。三方良しの電子書籍化について皆さんはどう思われるでしょうか?
もしご意見のある方は、TwitterやFacebookでコメント頂ければ幸いです。
@3_wa