先日、約3年半働いたJICA(国際協力機構)を退職いたしました。
次は、e-Education ProjectというNGOの共同代表になります。「途上国の教育課題を若者の力で解決する」ことをミッションに、日本の大学生たちと力を合わせて、途上国の貧しい子供たちに映像教育の魅力を届けていきます。
この記事では、私が退職に踏み切った理由を紹介します。今、就職や転職を考えている方の参考になれば幸いです。
100%仕事に打ち込むことができるから
私の退職の理由は、この一言に尽きます。
365日24時間、自分の力を全て投入する手段が他には見つかりませんでした。
仕事をしながらNGOで活躍される方がいることは知っています。しかし、NGOの活動に100%注力できているかというと、きっとそうではないでしょう。
月給、労働環境、福利厚生、ワークライフバランス、社会からの認知度、事業規模、比較要素はあげればキリがありませんが、その全ての理由を天秤にかけても、100%仕事に集中したいという想いには勝りません。
「朝起きてから、夜寝るまで、大好きなことにトコトン打ち込みたい」
これが私の退職理由です。
次に、これからの仕事、つまり、私の大好きなことについてご紹介を。
(途上国の)最高の先生を、公共財に
これが最もやりたいことです。
途上国の「最高の先生」の授業を映像として記録し、それをインターネット上に無償公開します。そして各国の教育NGOや地方自治体と協力して、ネットにアクセスできない貧しい子供たちにも届け、その活動成果をネット上で全て公開します。どんな子供でもアクセスできる「公共財」に変えていきます。
想像してください。
途上国と呼ばれる国で暮らす全ての子供たちが、良質な授業へアクセスできるようになります。生徒が先生を選ぶことができるようになります。そんなプラットフォームを世界中の仲間と共に作り上げていくことができたら・・・それは素敵なことだと思いませんか?
2010年に活動を始め、これまで7か国で約300時間分の授業を収録してきました。私は活動当初からマネジメントに徹し、途上国で活動する仲間(大学生)たちの挑戦をずっとサポートしてきました。
2013年になってからは、平日の早朝と深夜、休日のほとんどの時間をe-Educationに当ててきました。本を読むよりも興奮し、映画を見るよりも感動したこれまでの体験は、いくらお金を払っても買うことはできなかったでしょう。
気が付けば、朝起きても、夜寝る前も、e-Educationのことばかり考えるようになり、大好きなこの活動を仕事にしたいと思うようになりました。
そして、退職を決断しました。
ただ、あらゆる準備が整っていたわけではありません。
後悔と不安
正直に告白すると、今悔しくてたまりません。
JICAでお世話になった方へしっかり恩を返すことができておらず、やりたかったことはまだまだありました。迷惑をかけた方も沢山おり、きっとこれからも悔やみ続けていくでしょう。
これからのこともすごく不安です。
明日のスケジュールがきちんと決まっていません。これまで会社が自分を守ってくれていたことがよく分かりました。給料を貰ってきた生活が、給料を作る(払う)生活に変わる未来になることを思うと、それだけで胸が痛みます。
しかし、それでも、100%やりたいことに専念できる毎日がやっぱり楽しみです。後悔から改善点を見出し、不安を危機感に変え、高い目標意識と適度な緊張感を持って、好きなことを仕事にしていきます。
JICAを通じてお世話になった皆様、本当にありがとうございました。
e-Education Projectに関わる皆様、この記事を読んでくれた皆様、これから改めてよろしくお願いいたします!