教育をもっとオープンにするための決起会「GOEN Conference 2013」にて、「情熱」の大切さを学んできました。

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『ウェブで学ぶ』

この本を2年前に読んだ時、私の頭に春がやってました。

今まで学校に対して感じていた不満。雪のように積もっていた不満を消しとばし、桜いっぱいの美しい景色を見せてくれた一冊です。

そんな著書お二人がコーディネートされたセミナーが「GOEN Conference 2013」

満開の桜を見るより楽しいセミナーでしたので、ぜひ共有させてください。

 

教育は、もっとオープンになる

『ウェブで学ぶ』では、「オープンエデュケーション」という言葉が頻繁に登場します。

オンラインの無料動画を使った学習と言えばイメージが膨らむかもしれませんが、本の中では一歩も二歩も先の世界が描かれていました。

子供たちが自分の学習ペースに合わせて学びたいことを学んでいく。それがネットワークとなり、世界中の人たちと楽しく切磋琢磨する。

一人一人の可能性を切り開く未来の教育の姿が、この本の中でハッキリと描かれていました。そして、今回のカンファレンスでは、その更に先の未来を垣間見ることができました。

ここからは私が見た教育の未来をお伝えいたします。

 

Goen conference 2013

 

大構築時代へ

最初に登壇された梅田望夫さんは『ウェブ進化論』というベストセラーを執筆された、インターネットの未来を描いた日本の第一人者。

今回のカンファレンスでも、WEBの進化と教育の進化を並べて、WEB素人の私でも理解できるよう丁寧に教育の未来を説明してくれました。

その中でとても印象深かったのが「大構築時代」という言葉。

ハーバード大学、MIT、スタンフォード大学など、一流大学の教授たちの叡智がインターネット上に集まりつつある現在。その先には新しい仕組みが生まれていくという教育の未来です。

例えば、子供たち一人一人にあった教育カリキュラムをコンピューターが自動で計算し、最適な無料動画教材を提供してくれる世界。そんな世界がこれからやってくるというのです。

聞くだけでワクワクしてきませんか?

 

情熱(狂気)と公的機関の介入

では、そんな新しい教育の世界をつくるためには何が必要なのでしょう?梅田さんは「まず狂気にも近い情熱が必要」だと語っていました。

現在、世界で最も人気の高い教育NPO「Khan Academy(カーン・アカデミー)」も、サルマン・カーンという一人の情熱からすべては始まりました。

自身の授業をYoutubeにアップし続け、それがビル・ゲイツも絶賛するような教育サービスになるとは、この時誰も予想できなかったでしょう。

しかし、「情熱(狂気)だけでは、社会は変わらない」と付け加えた梅田さん。カーン・アカデミーも大手財団や地方行政が支援・活用し始めたことで、活動が加速しました。

公的機関が介入することで、はじめて社会全体が変わりだします。教育をオープンにするためには、公的機関の介入は不可欠なプロセスなのです。

 

日本におけるオープン・エデュケーションの難しさ

「残念なことに、日本において教育のオープン化はまだまだ進んでいません」

こう語ったのは、『ウェブで学ぶ』の著者であり、MITでオープン・エデュケーションを研究されていた飯吉透先生。公的機関の介入の少なさをはじめ、いつくもの問題点を指摘されました。

しかし、梅田さんも飯吉先生も日本における教育のオープン化を諦めているわけではありません。その切り札として、様々な教育アクターたちが集う「GOEN Conference 2013」を開かれたのです。

 

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「情熱」が集まるコミュニティを

「GOEN Conference 2013」では、教育系WEBサービスを運営されている経営者から文部科学省の方まで非常に幅広い教育アクターが集いました。

・金成隆一(朝日新聞記者)
・角南槙一(京都大学学生・GOEN学生代表)
・木下浩之(JAIST大学院生、Xmajor創設者)
・花房孟胤(Manavee代表・東京大学学生)
・三輪開人(e-Education副代表)
・松田悠介(Teach For Japan代表)
・福岡功慶(アスデッサン共同代表・経済産業省)
・中村孝一(eboard代表)
・横井明文(Quipper日本オフィス代表)
・辻川友紀(ShareWis代表)
・森健志郎(Schoo社長)
・福原美三(明治大学教授・JOCW事務局長・前代表)
・酒井博之(京都大学高等教育研究開発センター准教授)MOSTフェローシッププログラム
・合田哲雄(文部科学省高等教育企画官)教育イノベーション

バラバラな業界から異なる視点でプレゼンが展開される中、私が感じたのは圧倒的な「情熱」でした。

一人一人が「情熱」を持って、今できることに挑戦されている方ばかりで。プレゼン終了後の全体ディスカッションと懇親会では、「情熱」がぶつかり合い、面白い化学反応が起こっている様子を生で見ることができました。

『ウェブで学ぶ』の著者お二人が狙っていたのは、この情熱に火をつけることだったのだと、最後にやっと気が付きました。

 

今回のカギ

私自身も登壇者として参加させていただいた「GOEN Conference 2013」。情熱に火がつき、今やるべきことがはっきり見えてきました。

それは、

■一人一人が役割意識と信念(魂)を持って、今自分にしかできないことに情熱を注ぐこと

です。

例えば、日本の教育課題に挑戦している人も、途上国の教育課題に挑戦している人もいます。オンラインの学習を加速させようとする人もいれば、オフラインでできることを模索している人もいます。

これに対して「どちらが正しいのか」を議論するのではなく、どうやったら繋げることができるのか、「協働」することができるのかを模索しあう。情熱の火を消しあうのではなく、火を強めあうよう話し合ってみた皆さんから大いに刺激を受けました。

正直に告白すると、教育のオープン化に向けて、私ができることは微々たるものだと思っていました。ただ、その「ほんの少し」をしっかりやり切ることが、社会全体を変えるために不可欠なことであることを学びました。

飯吉先生、梅田さん、そしてGOEN Conferenceに参加された皆さん、素敵な時間を本当にありがとうございました。

@3_wa

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