![20100127「熟」](http://edu-dev.net/wp-content/uploads/2012/09/o0384051210392979905.jpeg)
熟(20100127)
懐かしい味がした。
“パッタイ(タイ風やきそば)”だった。
工場で夕方まで働いた後、
先日お世話になったJICAの方々から夕飯の招待を頂いた。
動物園・・・
とは言いすぎかもしれないが、
大使館(省庁より出向)、専門家、調整員、JICE、と、
国際協力で名が通る機関の方々が集まっての食事会(送別会)で、
普段見ない動物が一か所に集まる動物園のような光景だった。
10年後、20年後の自身の姿と、
これから飛び込む世界を想い浮かべながら、
パクチーのよく効いたタイ料理を頂く。
大学で見知らぬ人と飲み会を開くと、
「どこ出身?」「僕、静岡です」「俺は栃木だよ」のようなやりとりになるが、
この食事会では
「前の勤務先どこ?」「僕、PNG(パプアニューギニア)です」「俺はザンビアだよ」
となかなか耳にしない国名が飛び交う。
10分に一度は知らない単語を耳にする会話は実に面白く、
料理を食べるのを忘れてしまうほどだった。
でも、尊敬と感謝の心でお腹は十分に満たされた。
ここバングラに来て、尊敬と感謝の連続だが、
今日、所用でバングラからネパールに旅立たれたIさんには、
この10日間非常にお世話になり、日々尊敬の念が増している。
平均年齢が30を下回るベンチャーで唯一60歳近くのIさんは、
1年の半分以上を現地の工場勤務に費やしてくれている。
尊敬すべきは、その行動力と偏見のない謙虚な態度。
誰よりも早く工場に行き、夜遅くまで文句ひとつ言わずに働き続ける姿勢。
僕のような若造に対しても、現地工員に対しても心を開き、笑いが絶えない会話。
なかなか相応しい言葉が見つからないが、
人間として熟された方だと感じた。
恥ずかしいくらい未熟な自分。
ただ、代わりに失うものも少ない。
捨てられる旅の恥はどんどんかいて、
一個一個しっかり吸収してこう。
(※手始めに料理の残り物は全部貰ってきましたw)
磨(20100128)
![20100128「磨」](http://edu-dev.net/wp-content/uploads/2012/09/o0384051210392979903.jpeg)
この日は一日工場で働いた。
担当する作業の効率が上がり、
ようやく工員の人たちと簡単な会話ができるようになったことで、
仕事がさらに楽しくなりつつある。
それにしても、
工員たちの頑張りには本当に驚かされる。
仕事のスピードやその精度はもちろんのこと、
朝早く来て夜遅くまで継続してテキパキと働く彼らの勤勉さは、
本当に学ぶべきことが多い。
ここに来てから本当に勉強の毎日だが、
この日も大きな学びがあった。
昨日お食事をした方々からの返信を頂いたメールに胸が躍った。
「バッグ持ってます」
「入谷に行きました」
「応援してます」
「協力できることがあれば何でも言って下さい」
先日のお食事でインターンのことを簡単に紹介した時、
ほぼ全員の方がマザーハウスのことをご存じだった。
これは嬉しかったと同時に、驚きでもあった。
民間企業と国際協力機関との関係。
お互いが違う役割を担い、時に対立することもある。
ただ、同じ理念(想い)のもとに活動する時、
そこに信頼・協調の関係が生まれる。
自分たちにできないことを他の人(組織)が担う。
全体として、ある目的(途上国の可能性の開花)に向かって進んでいる。
だからこそ、認め合い、尊敬し合える。
こんな簡単なことに改めて気付かされる。
もちろん、それでも足りない部分はあり、
他の人(組織)の悪いところが見えることは多々ある。
ただ、そこからは“自分次第”で、
ここバングラでお会いした人たちは、
物事のマイナスの側面は理解しつつも、
プラスの側面をしっかり見据える、
笑顔が似合う素敵な方々だった。
大学一年の頃、法学部の授業で、
“一つのものごとには複数の側面が存在する”
と教わり、ペンが止めて考えたことを今でも覚えている。
中国で見たどこかのお経でも、
「諸法実相」「十如是」という言葉があり、
“あらゆるものの真実の姿”には“このような10の側面がある”という意味だそうだ。
良い側面もあれば、悪い側面もある。
この国に来て、「正しいこと」が何なのか、
日に日に分からなくなる今日この頃。
初めての国、初めての人(組織)に対しては、
どうしても身構えてしまう自分。
他人を卑下する前に、次第である自分に還らねば。
世界が少しでも楽しくなるよう、
自分の目と心をこれから磨いていこう。