「チキノザウルス」という恐竜をご存知でしょうか?
誰も見たことはないですし、ほとんどの人は聞いたこともないでしょう。
しかし、この恐竜を信じてやまない考古学者がいます。名前はジャック・ホーナーさん。恐竜博士は彼と呼ばれた彼の夢と挑戦の話をご紹介しましょう。
ホーナー博士の2つの夢
ホーナー博士には2つの夢がありました。恐竜博士になることと、恐竜をペットにすることです。
運にも恵まれた博士は、西半球における世界初の恐竜の卵と巣を発見しました。そして恐竜が巣を共同で守る社会的な動物だという証明に成功します。
博士とその仲間たちの研究により、恐竜の生態はグッとイメージできるようになってきました。スピルバーグ監督の映画、ジュラシック・パークでも恐竜の社会性がきっちり描かれています。
ジュラシック・パークは作れない?
博士は2つ目の夢、恐竜をペットにする挑戦も進めていました。ジュラシックパークのように琥珀にいる昆虫(蚊)から血液を採取し、恐竜のDNAを分析する方法も試しましたが、ダメでした。
他にも色々な方法を試し、恐竜の骨を削った大実験を通じてヘモグロビンや血管の発見には成功しましたが、肝心のDNA発見には至りませんでした。
しかし、それでもあきらめないのが博士の凄いところ。恐竜の化石や骨からの復元ではなく、全く新しい驚くべき方法を考えました。
ニワトリから恐竜をつくる
「鳥は生きた恐竜である」と博士は主張します。鳥類は恐竜の子孫であり、鶏も恐竜だと考える博士は、鶏から恐竜を復元する方法を考えました。
遺伝子を大幅に改良するのではなく、過去に存在していた特徴を取り戻す遺伝子工学の力で、鋭い歯を持つ鶏が誕生しました。
博士たちはさらに研究を重ね、カギ爪や長い尾を持つ鶏型の恐竜「チキノザウルス」の誕生を目指しているのです。
「恐竜ニワトリが誕生したら、きっとTEDのイメージキャラクターになる」とほほ笑む博士。彼の夢は、終わりません。
今回のカギ
ニワトリから恐竜を作ることに対して「どんな利益があるのか?」という質問をされたとき、ホーナー博士は「子供たちに生物や化学を教える良い教材になる」と言っていました。
ただ、きっと一番の理由はそこではないでしょう。博士が恐竜を復元したい一番の理由は、
■自分の夢(=恐竜をペットに)を叶えるため
だからでしょう。
これが博士の一番の原動力であり、魅力なのだと思いました。いつまでも追い続けらる夢、私もしっかり持ち続けたいと思います。
動画情報
約16分半の動画です。日本語字幕もありますので、ぜひご覧下さい。
ジャック・ホーナー:鶏から恐竜を生み出す
Jack Horner: Building a dinosaur from a chicken
※iPhone/Android等スマートフォンからはこちらの動画をご覧下さい↓
[1分TED]について
「TEDを見たいけど、英語が苦手。」
「10分は少し長い、見る時間がない。」
そんな声から、1分間で動画の魅力がわかるTED紹介、略して[1分TED]は始まりました。この記事を読んで、少しでもTEDの楽しさや面白さが沢山の人に伝わればと思っています。
NHKでも毎週月曜、夜11時から放送されていますので、ぜひご覧いませ。
スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンラインそれでは、これからも楽しいTEDライフを!
@3_wa