色のない世界を想像したことがありますか?
難しいでしょう。世界は色に溢れているからです。
そんな世界を知らずに生きてきた、ニール・ハービソンさん。視覚障害を持ち、モノクロの世界に生まれました。
今回は、彼がはじめて色と出会い、笑顔の似合うサイボーグになるまでのストーリーををご紹介しましょう。
色を、聴く
21歳まで色が見えなかったニールさんは、世界各国の科学者の力を借り、カラーセンサーが搭載された電子アイを作りました。
色の周波数を認識して、骨伝導で色を「聴く」ことができる装置。この装置により、色を見るのではなく聴く生活が始まったのです。
数年の時間をかけ、色を「聴く」生活が当たり前になり、好きな色が生まれ、色のある夢を見るようになりました。
無意識に色を描くことができるようになり、装置は体の一部と化しました。
音楽を、食べる
色を「聴く」ようになって、ニールさんの生活は激変しました。
美術館に行けば、ピカソを聴くことができます。スーパーに行けばオーケストラを聴くことができるのです。
食事も変わりました。お皿の盛りつけ方次第で自分の好きな曲が食べれるようになったのです。
着る服、人の顔。目の前に景色すべてに対する美の感覚が変わったのです。
人から、サイボーグへ
ニールさんの進化は止まりません。実際の音を「色」として捉えられるようになったのです。
人の声を色として感じるようになり、電子アイを改良して赤外線や紫外線まで感知できるようになりました。
そして作った「サイボーグ基金」。テクノロジーによる感覚の拡張を勧める団体です。
知識は感覚から育まれます。知識を拡張すれば、知識を拡大することができるのです。
ニールさんは楽しそうにプレゼンをこう締めくくります。
「さあ、感覚を拡張しましょう。そして皆、サイボーグになりましょう!」
今回のカギ
先日NHKで紹介された義足のアスリート、エミー・マランスさんもそうですが、ハンディキャップを世界一の個性に変えたニールさんのプレゼンは心に響きました。
今回のカギは、
■技術は人を幸せにし、人は科学と共に夢を叶える
です。
科学の可能性と、人の強さを感じる素晴らしいプレゼンテーション。自分の弱さをなかなか克服できない方はぜひご覧ください!
動画情報
約9分半の動画です。日本語字幕もありますので、ぜひご覧下さい。
ニール・ハービソン:「僕は色を聴いている」
Neil Harbisson: I listen to color
※iPhone/Android等スマートフォンからはこちらの動画をご覧下さい↓
[1分TED]について
「TEDを見たいけど、英語が苦手。」
「10分は少し長い、見る時間がない。」
そんな声から、1分間で動画の魅力がわかるTED紹介、略して[1分TED]は始まりました。この記事を読んで、少しでもTEDの楽しさや面白さが沢山の人に伝わればと思っています。
NHKでも毎週月曜、夜11時から放送されていますので、ぜひご覧いませ。
スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンラインそれでは、これからも楽しいTEDライフを!
@3_wa