大きな目標を実現するために、あえて一番大切なものを手放そう。

SPONSORED LINK
IMG 8590

実るほど頭を垂れる稲穂かな

有名なことわざです。大きな目標を実現した人ほど、謙虚になっていく、という意味だと理解しています。

私の周りで夢を叶えた人たちに共通する点であり、私自身もそうなりたいとずっと思ってきました。

しかし、「実る」ために何が必要なのでしょう?

努力でしょうか、それとも、緻密な計画でしょうか?いずれも必要なことは分かっていましたが、何かが足りないとずっとモヤモヤしていました。

そして、過ちに気がつきました。

「足りない」のではなく、「足り過ぎていた」のです。この状態は、すごく危険であり、にもかかわらず、多くの人が気づいていないのではないかと思います。

自戒をこめて、私がした失敗と、失敗の先に見つけた大切なことをご紹介します。

私の人生最大の失敗

今年の6月、人生で最も大きな失敗をしました。

駅の階段から落ちたのです。

足を踏み外したわけではありません。目眩がし、足元がおぼつき、重力に従うように階段から落ちました。

後で聞けば、背負っていたリュックサックが頭を守るクッションになってくれたとのことですが、一歩間違えたら命を落としかねない大失敗でした。

病院で点滴を打ちながら、失敗の原因を探りました。もう二度と同じ失敗をするまいと、この記事を書く構想を描き、半年たった今、ようやく記事を書けるまで頭と身体を整理することができました。

満ち足り過ぎていた毎日

私は恵まれていました。憧れの仕事に就き、同時に好きなことも別に行っていました。

しかし、ある時から、そんな状態が苦しくなってきました。好きなことにかける時間が増え、仕事の時間を減らす代わりに、睡眠時間をどんどん削ったのです。

毎朝太陽が出て眠りにつき、ちょっと休んですぐに会社に行く生活。最初は、周りのみんなよりも時間を有効に使えているような充実感がありました。

しかし、一週間、一ヶ月、二カ月と続けると楽しさが苦しさに変わってきます。それでも、苦しさの先に何かがあるような気がして走りました。

途中から作業の効率も落ちていました。しかし、それ以上に時間が足りず、土日をどれほど使っても、やりたいこと・やらねばならないことは日に日に増えていきました。

そして今年の6月、電池が切れたかのように、体が動かなくなったのは先に説明した通りです。

さて、私はどこで間違えたのでしょうか?

正直に告白すると、私はまだ答えを見つけていません。

ただ、体の限界の先に見つけた「どうしてもやりたい」の直感に従って、憧れの仕事を辞めました。

後悔も不安も残っており、今でも「他に手段があったのではないか」と思うこともありましたが、会社を辞めたことで、ずっとやりたかったことが2つできました。

「手放す」ことで新たに掴んだ、2つのことについてもお伝えします。

誕生日に見た稲穂

IMG 8587

11月17日、27回目の誕生日を、私は実家で迎えました。大好きな家族に囲まれながら送る記念日は10年ぶりでした。

その日の夕方、犬の散歩をしながら近所の田んぼ道を歩いていると、金色の稲穂を見つけました。収穫まであと少し、ずいぶんと頭が垂れていました。

ぼんやりと稲穂を見ながら、幼い頃に教わった「中干し」の話を思い出しました。

「中干し」とは、田んぼの水を抜いて土を乾かす手法であり、これによって根が土の中にしっかり張り渡ります。強い稲を育てるために、あえて一番大切なもの(水)を手放すのです。

もちろん危険はあります。水を断ち過ぎて枯れてしまうこともあります。それでも多くの農家が「中干し」を使うのは、数多くの挑戦と失敗を重ねた上に、確かな道ができたからなのでしょう。

では、私の場合はどうでしょうか?

退職の報告をした時、批判や反対の声もたくさん頂きました。私の将来を心配する声がほとんどでした。

しかし、大切なものを手放したからこそ、見えてきたものがあります。前の職場がいかに素晴らしい場所だったかもすでに実感しています。

だから、この退職の決断を「中干し」だと思うことにしました。足りないものがあるからこそ、成長しようと思えるようになります。お金がないからこそ、お金に代わる工夫も生まれます。

足りない状態を、もっと楽しむことに決めました。

もうひとつの「手放す」

実家から東京に戻った日、私の新しい仕事先でもある、e-Educationの皆がサプライズパーティーを開いてくれました。

40分近いビデオメッセージをはじめ、たくさんのプレゼントと嬉しい言葉をもらい、感謝の気持ちでいっぱいになり、世界一の幸せ者だと思いました。

私が幸せなのは、好きなことを仕事にできたことではないでしょう。好きなことを、大好きな仲間たちと一緒にできるからこそ幸せなのであり、それこそが他のどの仕事にも負けない魅力なのだと思いました。

そして、一つの決断しました。

それが3週間の海外出張です。e-Educationのプロジェクトサイト3箇所を回る出張であり、3週間かけてフィリピンとインドネシアへ行きます。

これまでは日本を留守にすることが心配で、海外に行くことができませんでした。でも、今は全く心配ありません。大切な、そして信頼できる仲間が日本にいるからです。

もう一つの「手放す」とは「任せる」ことです。自分に足りないものやできないことを素直に認め、仲間たちに任せることが、新しい一歩を踏み出す大きなキッカケになりました。

今回のカギ

まとめます。

収穫前の稲穂のように「実る」ために、私は「一番大切なものを手放す」ことを決めました。

憧れの職場を辞めたからこそ、心と身体に余裕が生まれ、家族に囲まれて誕生日を迎えることができました。

仲間を信じきることに決めたからこそ、国内での仕事を仲間たちに任せ、海外出張に出ることができました。

掴んだものはとても小さなものですが、大きな夢を叶えるためにも、やはり同じことが言えるのではないでしょうか?

大きな目標を実現するために、あえて一番大切なものを手放そう。

手放すことを恐れず、一つ一つ目標に近づいていこうと思います。

SPONSORED LINK
IMG_8590.JPG