世界中の教育者が注目する大学がインドの貧しい農村にあります。
名前は「裸足の大学」。名前の通り、裸足で学校に通う人も沢山います。
しかし、そんな学校には太陽光発電装置が設置してあり、高い専門スキルを磨くことができる最高の教育機関と呼ばれているのです。
今回は「裸足の大学」創設者バンカー・ロイさんの物語をご紹介します。
エリート人生から農村暮らしへ
ロイさんはいわゆるエリートでした。高価な教育を受け、外交官にも医者にもなることができました。
しかし、ロイさんが選んだのは貧しい農村での暮らし。家族全員から反対されても、揺るぎませんでした。
貧しい人々の卓越した能力を目の当たりにしたことが選択の決め手でした。
「貧者にとって大切なことを教える大学をつくりたい」
この想いから、「裸足の大学」づくりが始まったのです。
エリートが絶対入れない大学
「裸足の大学」は貧しい人だけのための学校です。だから、博士号や修士号を持った人は入学を認められません。
学校には入学証や修了証も発行されません。貧しい農村では紙が意味をなさないのです。
その代わりに「裸足の大学」では、自ら積極的に働き、コミュニティに奉仕できるかどうかが厳しく問われます。
生徒が自ら行動していく学校。太陽光発電のパネル設置したのは、初等教育しか受けていない僧侶でした。
世界を変えるアイデアはどこに?
「裸足の大学」はコツコツと実績を重ねました。
アフガニスタンやアフリカから留学に来た農村の女性たちが、自国の太陽光発電装置の導入に大きく貢献したのです。
世界最貧国シエラレオネから来たおばあさんは、自国の大統領から高い評価を受け、150人に訓練施設で授業をするようになりました。
インドの貧しい村の学校が世界を変える起点になったのです。
世界を良くするアイデアは、世界銀行の人ではなく、地元の人の言葉の中にあると主張するロイさん。
これこそが世界が注目する学校の秘密なのです。
今回のカギ
ロイさんはプレゼンの最後にガンジーの言葉を引用されました。
First they ignore you, then they laugh at you, then they fight you, and then you win.
(はじめに彼らはあなたを無視し、次に笑い、そして戦いを挑んできます。そしてあなたは勝利します。)
「裸の大学」を創ったロイさんの理念がハッキリと描かれています。
今回のカギは、
■99%の人に反対されるようなアイデアこそ、世界を変える
です。
無視されるのも、笑われるのも決して楽しいことではありません。
しかし、それでも理念を貫くことができれば、きっと勝利の女神は微笑むのでしょう。
ロイさんと1日1ドル以下で暮らす貧しい人々との、45年に渡る愛の物語。
イノベーションの本質が見えた気がしたプレゼンテーションでした。
動画情報
バンカー・ロイ:「裸足の大学」から学べること
Bunker Roy: Learning from a barefoot movement
※iPhone/Android等スマートフォンからはこちらの動画をご覧下さい↓
[1分TED]について
「TEDを見たいけど、英語が苦手。」
「10分は少し長い、見る時間がない。」
そんな声から、1分間で動画の魅力がわかるTED紹介、略して[1分TED]は始まりました。この記事を読んで、少しでもTEDの楽しさや面白さが沢山の人に伝わればと思っています。
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スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンラインそれでは、これからも楽しいTEDライフを!
@3_wa