指揮者は、リーダーです。
オーケストラの個性あふれるメンバーの力を合わせて作品を作る、高度なリーダーシップが求めらます。
では、リーダーにはどんな力が求められるのでしょう?
今回はイスラエル出身の指揮者イタイ・タルガム氏が考える「リーダーシップ」について、5人の指揮者を例にお伝えしましょう。
指示を出すリーダーシップ
リッカルド ムーティは命令的なリーダーでした。
指示も制裁も明確。作曲家に対して高い敬意を払い、自分の理想を追い求めた彼は、厳しい指示を出し続けました。
結果、優れたオーケストラを作り上げたものの、メンバー全員からの解雇通知が出ました。
「あなたは私達をパートナーではなく 楽器として扱っています。」
優れた指揮者でありながら、チームが機能しなくなり辞任することになりました。
無干渉なリーダーシップ
リヒャルト シュトラウスの指揮者としての力は「無干渉」でした。
「コンサートが終わって汗をかいているようなら何かやり方が間違っている」と言い、自ら作曲した曲であっても放任主義でした。
また、有名な指揮者ルト フォン カラヤンは、自ら明確な指示を出さずに、目を閉じて指揮をしました。
演奏家たちはカラヤンのイメージを連想しながら音楽を生み出しました。ムーティとは対照的ですが、これも強力なコントロールです。
場や意味をつくるリーダーシップ
カルロス クライバーは演奏家をコントロールするのではなく、場をコントロールすることに注力しました。
演奏家たち一人一人が作り出している場を理解し、それをパートナーシップにまとめあげます。結果、演奏家たちは自分らしく、楽しく、仕事に誇りを持って演奏に打ち込むことができるのです。
場を作ることで、クリエイティビティを最大化させることに成功しました。
最後に登場したのは、タルガム氏の師匠に当たるレナード・バーンスタイン。音楽の意味を大切にするバーンスタインは指揮棒をほとんど振らずに、顔だけでオーケストラをまとめました。
演奏家たちは、バーンスタインの顔の表情の変化から意味を読み取り、音楽によってストーリーを語りだします。指示をするだけでなく、場を作り、意味を与えるのも、優れたリーダーシップなのです。
今回のカギ
今回のカギは、
■自分にあったリーダーシップを
です。
最初に登場したムーティも世界的に有名な指揮者の一人。彼が指揮する音楽にも胸を打たれました。
音楽、つまりチームでつくる作品もそれぞれ違った魅力があり、自分のリーダーシップにあったチーム作りが必ずできるはずです。
そんなリーダーシップの奥深さを教わりました。
動画情報
イタイ・タルガム:偉大な指揮者に学ぶリーダーシップ
Itay Talgam: Lead like the great conductors
※iPhone/Android等スマートフォンからはこちらの動画をご覧下さい↓
[1分TED]について
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スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンラインそれでは、これからも楽しいTEDライフを!
@3_wa