アメリカのJames Dyson Foundationが主催する、大学生向け対象のコンペティションが非常に面白いです。
科学の力で途上国の課題解決に挑む大学生たちが、想いとアイデアをぶつけるイノベーションコンペ。来月開かれる決勝大会参加7団体が決まったようなのでお伝えいたします。どれも実践に裏付けられた素敵なアイデアです。
大会概要
サイクロン式掃除機で有名なダイソンが提携しているジェームズダイソン財団。この財団が主催する国際デザインコンペが「ジェームズダイソンアワード」です。
次世代のエンジニア育成を目的に毎年開催されており、今年2012年は世界18カ国の大学の工学系大学生(と卒業生)が参加しました。2月から募集が始まり、日本でも選考会が実施され
、いよいよ次は決勝大会(最終選考)になります。
決勝大会に残ったのは7団体。いずれもアメリカの大学ですが、どれも素晴らしいアイデアばかりです。全てご紹介しましょう。
決勝大会7団体の作品(アイデア)
1.Bicyclean
自転車をこぐ力で電気廃棄物をコンパクトに圧縮する機械。自転車も圧縮装置も全て途上国現地で手に入れることができ、低コストで作成できることがポイントです。ガーナで実践するハーバード大学(米)ののアイデア。
2.Balde a Balde-Safe Agua
汚い水を濾過して、安全な水を確保することができる簡易装置。現地の人々の声を参考にデザインした、どこでも使える携帯性がポイントです。ペルーで実践するアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(米)のアイデア。
3.Blind Assistance Technology Buckle
視覚障害者用のベルト。ベルトにはセンサーがついており、前に障害物や段差があると感知して知らせてくれます。ノースウェスタン大学(米)のアイデア。
4.The BETH Project
足を失ってしまった人のための義足。柔軟に変化する素材とメンテナンスしやすい機能が特徴です。マサチューセッツ工科大学(米:MIT)のアイデア。
5.GiraDora-Safe Agua
足をポンプのように踏むだけで洗濯することができる簡易洗濯装置。写真のように座りながら洗濯ができるので大きな効率向上に繋がります。ペルーで実践するアートセンター・カレッジ・オブ・デザイン(米)のアイデア。
6.OttoClave
医療機器を滅菌するための装置。熱による調整が課題でしたが、現地語に翻訳される音声案内装置をセットで提供することにより、どこでも導入が可能になりました。ネパールで実践するマサチューセッツ工科大学(米:MIT)のアイデア。
7.Human-powered refrigeration
医療薬品の電子保冷装置。ハンドルを回すことで、電子冷却することができ、予防接種用の薬を運ぶ時などに役立ちます。ノースウェスタン大学(米)のアイデア。
以上7作品の紹介でしたが、どれもすぐ商品化できそうなアイデアばかり。途上国で実践しているものも多く、最終選考後の展開も気になりますね。
各作品の紹介ページでは、PR動画をはじめとした詳しい説明がありますので、興味のある方はぜひご覧下さい。
▼1.BicycleanのPR動画
参考:ジェームズ ダイソン アワード
参考:Top Finalists In The James Dyson Design Competition – PSFK
今回のカギ
今回のカギは、
■若者のアイデアが世界を変える
ことです。
大学生のアイデアが国を変える大きなアクションになることは十分にあり得ます。こういう流れがもっと加速するよう、社会人として大学生の活動を応援していきたいです。
@3_wa
参考
私がプライベートで協力しているe-Educationも日本の大学生がはじめた活動です。本も出版されていますので、ぜひブログ記事だけでもご覧下さい。
[1分書評]『前へ ! 前へ ! 前へ ! ― 足立区の落ちこぼれが、バングラデシュでおこした奇跡。 ―(木楽舎)』 税所篤快 | みんなの扉を開くカギ