進化には、カラクリがあります。
少なくとも、人間の歴史は偶然ではなく、あるカラクリによって進化を繰り返してきました。
「アイデアのセックス」こそがカラクリだと語る科学ジャーナリストのマット・リドリーさん。彼が見つけた人間の力をご紹介しましょう。
交換と、専門性
人間には得意不得意があります。斧を作る人のが上手い人もいれば、槍を作るのが上手い人もいます。
彼らはお互いの得意を活かして作ったモノを交換することで、不得意なことに費やす時間を減らしました。
交換によって専門性は更に高まりました。得意なことを絞って磨くことで、高い専門性が身に付いたのです。
アリと、人間
役割を理解して働く動物は人間だけではありません。アリが良い例です。
働きアリと女王アリで役割を分け、高い専門性をもちますが、それでも人間の進化には及びません。
アリは異なる巣同士で交流することはありませんが、人間は国すら超えて協力することができるのです。
集団で知恵を出し合い、新しいものを生み出す。これが人間の力なのです。
私と、鉛筆
鉛筆がどうやって作られるのか知っていますか?黒鉛はどうやって作りますか?木はどうやって削りますか?
1950年代の経済学者レオナルド・リードは「誰も鉛筆を作る全行程を知らない」と主張しています。
人間は専門性の交換や協力によって、自分たちが理解していないことを成し遂げる力を身に付けました。
この専門性の集合体「集団脳」によって、今もこれからも世界はもっと進化していくのです。
今回のカギ
「集合脳」によって作られた世界は素晴らしいですが、同時に厳しさもあります。
なぜなら自分の代わりがいくらでもいるのです。自分がいなくてもグルグル世界が回るようになっているのです。
そんな時代の中で、生き抜くコツ(カギ)は、
■長所を伸ばして、足りない部分は協力し合うこと
でしょう。
自分にしかできないことを磨き、沢山の人と力を合わせていきたいです。
動画情報
マット・リドリー:アイディアがセックスするとき
Matt Ridley: When ideas have sex
約16分半の動画です。日本語字幕もありますので、ぜひご覧ください。
※iPhone/Android等スマートフォンからはこちらの動画をご覧下さい↓
[1分TED]について
「TEDを見たいけど、英語が苦手。」
「10分は少し長い、見る時間がない。」
そんな声から、1分間で動画の魅力がわかるTED紹介、略して[1分TED]は始まりました。この記事を読んで、少しでもTEDの楽しさや面白さが沢山の人に伝わればと思っています。
NHKでも毎週月曜、夜11時から放送されていますので、ぜひご覧いませ。
スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンラインそれでは、これからも楽しいTEDライフを!
@3_wa