美術館は好きですか?
好きな人も、そうでない人も、美術館で少し疲れてしまったことはないでしょうか?もしくは絵を見に来た目的を忘れてしまうことはありませんか?
今回は、あなたがもっと美術館を楽しむことができるようになるテクニックをご紹介します。小説家トレイシー・シュヴァリエさん流、美術館の楽しみ方をどうぞご覧ください。
美術館はレストランと同じ
美術館に飾られた全ての絵を見ようとすると疲れてしまうものです。すべての絵の価値を理解しようとして、理解できない自分に後悔してしまいます。
こんな経験のある方は、美術館をレストランだと考えてみましょう。全てのメニューを食べることはありませんよね?自分の好きなメニューを食べることができればそれで十分なのです。
それでは、美術館を美味しくいただく方法をご紹介しましょう。
全体から一つに絞って、物語をつくる
まずはレストランのメニューを眺めるように、全体を素早く一通り見て回りましょう。その中から足が止まり、心をひかれた作品を記憶しておきます。1枚でも十分です。それこそが楽しく頂く一品なのです。
絞ることができたら、自分自身に物語を聞かせましょう。その絵の惹かれたポイントから自分だけのストーリーを思い描いてください。何かを理解するには物語が一番です。
トレイシーさんが感じた物語を一つお伝えしますね。
「真珠の耳飾りの少女」の物語
トレイシーさんのベストセラー小説の題材となったオランダの名画。親密な眼差しを向ける絵の中の少女を見て、作者ヨハネス・フェルメールの想いを頭で描きます。
トレイシーさんは、こんな物語を想像しました。
少女はフェルメールの傍にいた召使。奥さんと11人の子供と暮らす彼にずっと仕えてきました。
子供たちの笑い声が飛び交う家で、彼は召使を自分のアトリエに呼び入れます。そこは奥さんですら入れない彼の聖域。二人っきりの時間が始まります。
質素な洋服をまとう彼女が身に付けた真珠のピアス。奥さんへのプレゼントを耳につけた彼女は二人きりの部屋で、恋する人を見続けます・・・。
いかがですか?たった一枚の絵から物語が生まれました。
事実かどうかは分かりませんが、間違っていても問題はありません。
何でも思い通り気の向くまま、自分だけの物語を作りましょう。これが美術館をもっと楽しむ方法です。
今回のカギ
目からウロコの話でした。全てを掴もうとするのではなく、重要なものを絞って楽しむのは多くのことに共通するテクニックです。
例えば、日々の情報収集も自分の興味のあるニュースやブログを読むだけで、本当は十分なのかもしれません。
■捨てることを恐れず、自分にとって一番大切なことにもっと集中する
仕事でもプライベートでも、ついつい忘れてしまうこと。読書や新聞など、身近なところから私も始めてみようと思います。
@3_wa
動画情報
トレイシー・シュヴァリエ:絵画に見つける物語
Tracy Chevalier: Finding the story inside the painting
※iPhone/Android等スマートフォンからはこちらの動画をご覧下さい↓
[1分TED]について
「TEDを見たいけど、英語が苦手。」
「10分は少し長い、見る時間がない。」
そんな声から、1分間で動画の魅力がわかるTED紹介、略して[1分TED]は始まりました。この記事を読んで、少しでもTEDの楽しさや面白さが沢山の人に伝わればと思っています。
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スーパープレゼンテーション|Eテレ NHKオンラインそれでは、これからも楽しいTEDライフを!
@3_wa