バングラデシュ渡航期⑥ Saisho AtsuyoshiとMiwaの夢

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≪写真:ダッカ大学100人の学生にアンケート≫

税所 篤快(さいしょ あつよし)

ブログ:http://astu0301.blog13.fc2.com/

この男に会うためにバングラに来たのかもしれない。
旅の醍醐味でもある、新たな出会いがここでもあった。

彼との出会いと自身の夢との関係について、
徒然に画いていきたい。
(※かなり長くなるのでご了承ください。)

≪6年前≫
高校野球という肉体鍛錬を終え、そのまま受験勉強という精神修行へ。
そこで始めて衛星授業なるものを目にし、
有名講師があたかも自分に対して授業をしてくれているような錯覚に陥り、
安易ながら、勉強にかなり熱が入った。

けど、落ちた。

≪5年前≫
前年度の悔しさと、有名講師の授業を生で受けたい好奇心に駆られ、
上京&独り暮らしの浪人生活を送る(両親に本当に感謝です)。
自分の脳内ではハリウッドスター以上に有名な予備校講師陣に囲まれ、
受験がなかなかおもしろくなり、勉強にかなり熱が入った。

けど、落ちた。

でも、
満足できなかったけど、納得できた。
何より学ぶことの楽しさを教わった。

≪4年前≫
そんな講師の方々や担任の先生に恩返しがしたくて、
受験終了の報告の際に「ここで担任助手(アルバイト)したい」と申告。
大学入学前に初めてのバイト先が決まった。

約20人の生徒を受けもち、浪人時代より密度の濃い一年になった。
バイトが面白くて、給料に反比例して授業の出席数は減っていった。
たくさん笑ったし、一緒に泣いたりもした。

教える楽しさと、芽が開く喜びを知った。

≪3年前≫
担任助手から講師アシスタントになった。
受け持つ生徒は20人から200人近くになった。
とにかく急いで走ろうとした一年で、過労入院したりもした。

世の中がいろいろと難しく見えた。

≪2年前≫
前年度貯めた金を約半年の海外放浪に注ぎこんだ。
初めて見るものたち全てに心を奪われ、
“貧困”と呼ばれる途上国のリアルに触れ、心が揺れた。

自分の生きてきた世界を幸せだと感じると共に、
それでも逞しく生きる彼らのパワーに圧倒された。

“Go Simple, Be Natural”

ガンジス河に携帯を投げ捨てることで、
友人達にはかなり怒られたけど、
世の中がいろいろとヤサしく見えた。

世界を楽しく見る方法を学んだ。

≪1年前≫
日本に帰ってきたら、シュウカツ戦争が始まっていた。
兵隊蟻たちは常に黒い鎧を身にまとい、至るところで列を作っていた。

「自分のしたいことって何なのか?」
「誰のために働きたいのか?」
「自分はどんなとき幸せなのか?」

インドのプリーで1週間悩んだことを、今度は1カ月かけて再度じっくり考えた。
そして、正月こたつで温まりながら聞いた親の言葉で暫定的な答えが出る。

「新しい道を切り開く人になって欲しい」

これが自分の名前“開人(かいと)”の由来であることを初めて知った。
でも新しい道って?
途上国のでこぼこ道と、そこで暮らす屈強な子たちのことを思い出す。

「途上国の可能性を引き出す“開”発“人”になりたいです。」

この言葉が就職活動最後の言葉になった。

≪現在≫

入谷という東京の下町にある店のドアを開けてから約半年、
現在バングラのダッカにある工場にいる。

入谷のお店はバングラに繋がっていた。

そんなバングラで彼と出会う。

税所 篤快(さいしょ あつよし)

好奇心と行動力の塊ともいえる彼が今回そのエネルギーを注いでいるのが、

“E-education”

という教育プロジェクト。
このプロジェクトの目的は、

・Break the wall of education between Dhaka and Village by social business
・Deliver best education chance to village by ICT
・Promote future leader of Bangladesh from village side

「農村部に衛星授業形式の予備校を作りたい」
彼と話を重ねるたびに、自分の心が形を変えていく。

“学ぶこと・教えることの楽しさを伝えたい”
“お世話になった人たちへ恩返しをしたい”
“途上国の可能性を引き出したい”
“人づくりの道を切り開きたい”

夢の種(点)が線になり、
線は面へと広がり、
面は立体へと姿を孵る。

3次元に生まれて重さを持った夢は、
心の奥深くへと落ちていく。

あぁ

これが“腑に落ちる夢”なんだと思った。

この夢は絶対に終わらせたくない。

夢、はじめます!

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thumnail.007