人生は一度しかありません。
当たり前ですが、ふとした時に思い出すもので、何となくそんなことを考えていたら、ピッタリな本に出会いました。
作者は『夢をかなえるゾウ』の水野さん。今回も「やられた!」という綺麗な構成であっという間に読み終えてしまいましたが、その中でも心に刺さった9つの言葉を紹介します。
基本を制する者が、世界を制する
キュリズムを作り出したピカソ。独特な絵が印象的であり、彼を異才・天才と呼ぶ人は少なくありません。しかし、そんなピカソも幼少期は絵画の基礎であるデッサンを猛勉強していたとのこと。
最近、「応用」ばかりに目が向いていってしまっていますが、もう一度基本に立ち返ってみようと思います。
ひとつ余分にがんばろう
勝海舟がオランダ語を学んだストーリーをご存知でしょうか?
当時貴重だったオランダ語の辞書を借りるために、彼はこのような提案をして、無料で辞書を借りることに成功します。
辞書を書き写して、ひとつを自分用に持ち、もうひとつを別の人に売って、そのお金をお渡しします。
相手の期待のハードルを超え、「嫌だ」といわれそうなことを「ぜひ!」に変えてしまう心の動かし方、参考になります。
小さなことこそ全力で
ゴジラやウルトラマンを作った特撮の父・円谷英二さん。
モノクロの撮影をしていた時代からセットにこだわりを持ち、ゴジラの口を赤く塗らせたら、驚くほどのリアルな色合いが出て、スタッフがみんな驚いたとのこと。
「そこまでしなくても・・・」と言われることであっても、誰かのためになったり、笑顔に繋がるものであったらやっぱり全力を出していきたいですね。
ひとりで抱え込まない
『落穂拾い』で名が知られているフランス画家のミレー。
彼にはルソーという画家の親友がいて、一番苦しかった時に助け合い、多くの作品を世に残してきました。
最近、周りには相談できる仲間がこんなにもいたのか、と強く反省することがありました。これからはもっと仲間や友人に頼り、何かあればぜひ自分も力を貸していきたいと思います。
さらけだすと、愛される
ミュージシャンとして不動の地位を築いてきたマドンナ。しかし、過去にヌードモデルをしていたことがスキャンダルとして取り上げられたことがありました。
しかし、そのスキャンダル取材に対して彼女はこう答えます。
当時は痩せていたから筋肉のふくらみや骨格が見えて、人気モデルだったの。すごく描きやすかったみたいね
この件があってファンが急増したとのことですが、その気持ちがよく分かります。
過去の失敗や、自分の弱い部分もしっかり受け止め、それを笑いの種にできるくらいさらけ出す勇気、ぜひ持ちたいです。
「努力」よりも「夢中」
「万有引力の法則」で知られるニュートンですが、一つのことに集中すると我を忘れてしまうような性格でした。
周りからは「変な人」だと思われても、夢中になることにどんどんのめり込んでいったそうです。
ニュートンの数々の功績を「努力」と言う人もいますが、おそらく本人は楽しいと思ったことに「夢中」になっていただけではないでしょうか?
自分も「夢中」になれる瞬間をもっと楽しんでいこうと思います。
まずは真似から
芸術家ゴッホが「模倣の天才」であることを知る人は多くありません。
ミレーやジョルジョ・スーラなど、様々な画家の技法を真似し、自分の作品に取り入れていきます。
素晴らしいものを徹底的に吸収したかったから
これこそゴッホが模倣を続けた理由であり、評価されるための技などではありません。
素晴らしいものや素晴らしい人に出会ったら、もっと貪欲に真似して学んでいきたいです。
毎日にちょっとした変化を
そんなゴッホに影響を与えたと言われている日本人画家の葛飾北斎。浮世絵画家として世界的に有名な一方、漫画のルーツともなる「北斎漫画」など新しい挑戦をし続けた人としても知られています。
中でもビックリしたのは93回も引っ越しをしたということ。常に変化を取り入れ、時には新人のフリをするために30回も改名をしています。
0になることを恐れず、常に新しい心でやったことのないことに挑んでいく、この心は常に持ち続けていきたいものです。
思い出し笑いする人生を
幕末の志士、高杉晋作。自由奔放な生き方に憧れを持つ人も少なくないでしょう。
そんな彼の有名な辞世の句が「おもしろきこともなき世をおもしろく・・・」ですが、、その続きを知っている方はどれほどいるでしょうか?
すみなすものは心なりけり(面白く感じられるかは心次第だ)
これは彼の死に際、枕元にいた女性、野村望東尼が続けた下の句ですが、それを聞いた高杉新作は満足げな表情で「おもしろいのう」と息を引き取ったとのこと。
人生を楽しくしようと動くことも大切ですが、今ある場所や時間を楽しむのも、人生をオモシロくするためのコツなのでしょう。
感想
『夢をかなえるゾウ』もそうですが、水野さんの本はサッと読めるのに、心にザクッと刺さります。
今回は関西弁の愉快なゾウは登場しませんが、可愛らしい犬が何匹も登場し、それだけでも本を購入したくなる人も多いはず。
「買ってしまった」と思っても、「思ってたよりも良かった」と言わせるこの構成力、少し悔しくなるくらい見事です。
『人生はワンチャンス!』
本のタイトルでもありますが、一度限りの人生をどこまで楽しむことができるか、まだまだやれることは多そうです。
ちょっと下を向きたくなったり、目の前が暗くなってきた人にぜひおススメしたい一冊です。