「楽しく続ける」とは?

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お久しぶりです。2ヵ月ぶりのブログです。

まだまだ暑い日が続きますね。しかし、蝉の声はもう聞こえなくなり、夜になれば少し肌寒ささえ感じる日も出てきました。

劇的ではないけど、確かな変化が生まれる、それが2ヵ月という時間なのでしょう。

今回は、そんな2か月の間に発見した3つのことを紹介させてください。

すべて「楽しく続ける」ことに関する発見です。

「楽しく続ける」にはまず続けてみるしかない

この2ヵ月、ブログを書かない代わりに、過去に書いた約700記事を全て読み返しました。1度ではありません。2回、3回と読み返しました(思ったよりもずっと時間がかかりました・・・)。

今から4年前、大学の先輩から薦められるがままに書き始めたブログは、書いては止まり、書いては止まり、の連続でしたが、ある時期を境に毎日更新ができるようになりました。

1週間、3週間、3ヶ月と書き続ける中で、ブログに対する向き合い方も変わっていきました。最初は苦しいノルマでしたが、3ヶ月を過ぎた時点でブログを書くことは日課になりました。毎日記事を書くことが、歯を磨くことのように日常の一部になったのです。

毎日続けることで自信も生まれました。「忙しい」と言い訳をしてきた自分に克ち、小さな誇りを持つことができました。ただ、それよりも、ブログを書くこと自体が楽しくなりました。これが一番の収穫です。

「楽しく続けること」がどれほど重要であるかは、分かっているつもりでした。私の大好きな野球も、楽しいからこそ続き、続ける中で技術が磨かれていく

・・・と勘違いしていました。

はじまりは、「楽しむ」ことではなく「続ける」ことだったのです。思い返してみると、最初野球は大嫌いでした。バッドを振れば空を切り、ボールはグローブの下を通りぬけていく。きっと野球をしている人なら、こんな苦い思いを味わったことがあるのではないでしょうか?

大切な試合でエラーして、大事な場面で三振して、何度も辞めようと思ったけど、やっぱり悔しくて練習を続ける。続けて、続けて、とにかく続けて、その努力が実った時、はじめて本物の「楽しさ」に出会いました。

「楽しいから続くのではなく、続けるから楽しくなる」

ブログを振り返る中で、大切なことを再発見しました。

「楽しく続ける」からこそ点と点は繋がる

ブログを振り返りながら、もう一つ発見したことがあります。それは「点と点の繋げ方」です。

“Conect the dots(点と点を繋ぐ)”はスタンフォード大学の卒業式のスピーチの中で、Apple創業者のスティーブ・ジョブズが語った有名な言葉です。スピーチの一部を紹介しましょう。

点と点の繋がりは予測できません。あとで振り返って、点の繋がりに気付くのです。

今やっていることがどこかに繋がると信じてください。何かを信じてください。あなたの根性、運命、業、なんでも構いません。その点がどこかに繋がると信じていれば、他の人と違う道を歩いてても自信を持って歩き通せるからです。それが人生に違いをもたらします。

このスピーチを聞きながら思いました。自分にとって大切なものを信じきることで、世界で唯一の、自分だけの道を切り開くことができる

・・・と勘違いしていました。

信じるだけでは何も変わりません。思いだけではなく、行動が必要なのです。未来を形づくっていくのは行動であり、行動の結果、点と点が繋がっていきます。

私のブログを例にしてみましょう。

このブログを始めるとき、私にはしっかりとした思いがありました。「(途上国の)教育開発のスペシャリストになりたい」という点からスタートし、ブログ名を「教育開発人のブログ」にしました・・・が、思いは思いのままでした。

ご存知の方もいるかと思いますが、このブログはiPhoneやライフハックのことを中心に書いています。気が付けば教育開発のことはほとんど触れなくなりましたが、それでも続けました。毎日、1年以上、記事を書き続けました。

そして気が付けば、先ほど紹介した通り、書くこと自体が楽しくなりました。「教育開発人になりたい」という点が、気が付けば「ブログを楽しく書き続けたい」という点に変わっていました。

いや、正確には点が「変化した」のではなく、新しい点が生まれたのです。どちらの思いも、しっかりとした点として心の中に存在し、自分を構成する大切な要素になりました。

そして、点と点が繋がりました。

2013年1月、仲間たちと「トジョウエンジン」というブログメディアを立ち上げました。途上国のイメージを豊かにするためのウェブマガジンであり、現在は毎日3~5記事ペースで更新しています。2つの点が見事に重なりました。

ここで改めて強調したいのは、行動したからこそ、点と点が繋がったことです。思いを抱き続けるだけだったら、きっとこんな結果にはなりませんでした。思いから離れることを恐れずに、行動を優先したからこその結果です。

そして気づかれた方も多いかと思いますが、行動したからこそ「新しい点」が生まれました。これは、結構見落とされがちなポイントだと思っています。

スティーブ・ジョブズがAppleの美しいデザインや世界観を作り出すことができたのは、彼がまだ18歳の頃に通っていたリード大学で、国内最高のカリグラフィ(飾り文字)の授業に参加して、懸命に学んだからでした。Mac(Machintosh)を開発する10年前の出来事です。

はじめて卒業スピーチを聞いたときは、Macを開発する過程で、カリグラフィという過去の点を掘り起こし、今と繋げたのだと思っていましたが、実際はその逆だったのではないでしょうか?

つまり、カリグラフィのことを、美しいデザインのことを、ガムシャラに勉強してきたからこそ、パソコンの機能美に惹かれ、Macが生まれたのではないでしょうか。

点は探すものではなく作るものである。
点と点は繋げるものではなく、自然と繋がっていくものである。
点を作り、繋がるためには「楽しく続ける」ことが一番の近道である。

これが私なりの「点と点の繋げ方」です。

「楽しく続ける」ことを仕事にするにはプロになる必要がある

ブログを毎日書いている中で、何度も思ったことがありました。それは「ブログで飯を食っていくことができるか」という疑問です。言い換えるなら「楽しく続けることを仕事にすることができるか」です。

私はこのブログで飯を食っていこうと思ったことはないのですが、「楽しく続ける」ことを仕事にしている人たちの生き方がとても気になり、ブログで生計を立てている人たちの本を読みました。

和洋風のするぷさん(@isloop)とネタフルのコグレさん(@kogure)の共著である『プロ・ブロガー本』2冊、Xperia非公式マニュアルの染谷さんの『ブログ飯』の計3冊がとても参考にしました。テクニックやブログ論ではなく、「生き方」というフィルターを書けて読むことで得た学びをいくつか紹介します。

  • 何よりもまず自分自身が欲しいと思ったもの(記事)をつくる
  • 流行や小手先のテクニックに流されず、読者(顧客)にとって必要とされるもの(記事)を作り続けていく
  • 失敗に凹まず、成功に満足せず、日々進化していくために試行錯誤する
  • 人脈などお金に変えられない価値を見つけ、それを楽しみ、大切にしていく

なるほど。これらは全ての仕事で通じることであり、見落とされがちな働くことの本質と言えます。確かに、これら全てを実行すれば「楽しく続ける」ことを仕事にすることだってできる

・・・と勘違いしていました。

もし「楽しく続ける」ことを仕事にして、満足な収入か同等の価値を手に入れることができるのであれば、もっと多くの人がその道を選ぶでしょう。しかし、現実は残酷で、厳しいのです。

プロ野球選手を目指す高校球児を例にしましょう。

甲子園を目指す全国高等学校野球選手権大会には4000校を超える高校が出場します。学年単位で見ると、1校1学年20人と仮定すれば8万人の高校球児がいます。その中でプロ野球選手のドラフトにかかる選手は毎年たったの10名前後。確率にして1/8000です。

ブロガーも同じです。全国に何万人、何十万人というブロガーがいて、そのうちブログで生計を立てることができている人は1/8000以下です。ブログで飯を食おうとしてその道を諦めた人は成功した人よりも遥かに多いはずです。

あえてプロ野球選手とプロ・ブロガーの共通点をあげるとすれば、それは「楽しく続ける」ことが実行できていること以上に「プロ」であることです。「プロ」だからこそ、仕事で飯を食うことができ、多くの人に価値を与えることができるのです。

さらに言えば、「プロ」であっても仕事を失うこともありえます。私たちがよく目にしているのは「成功したプロ」であり、それ以上に「プロ」でなくなった人たちがいることを忘れてはなりません。

それでは「プロ」になり、その世界で生き残るためには、何が必要なのでしょう?私なりに3つの要素を書き出してみます。

  • ある道で世界(日本)トップレベルの専門性や技術
  • その専門性を保ち、磨くための絶え間ない努力
  • ほんの少しの運と縁

今回読んだ3冊のブロガー本やプロスポーツ選手のストーリーを踏まえて考えた3つの要素です。「プロ」将棋棋士の生き方を描いた漫画『3月のライオン(7巻)』でも以下のようなセリフがありました。

「信じれば夢は叶う」

それは多分 本当だ

但し 一文が抜けている

「信じて”努力を続ければ”夢は叶う」

これが 正解だ

さらに言えば

信じて
「他のどのライバルよりも1時間長く
 毎日 努力を続けていれば
 ある程度迄の夢はかなりの確率で」
叶う だ

何度も頷きました。腑に落ちたのは、夢の儚さではなく、努力の重要性でした。

スポーツのプロ選手になるために不可欠な身体能力や感性については、天性の才能をもった人、つまり天才がいます。しかし、天才でも運や縁に見放されてしまうことだってあります。

それでも、専門性や技術を磨くための努力なら誰でもできます。ここだけは自分次第で、どこまでも上を目指すことができるのです。

先日、日米4000本安打を達成されたイチロー選手も、かつてこのようなことを言っていました。

努力せずに何かできるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうじゃない。

努力した結果、何かができるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうだと思う。

この言葉は、努力こそがプロになるために最も重要であることを示唆しています。

「楽しく続ける」ことは誰でもできますが、それを仕事にするためには「プロ」になる必要があり、プロとして生きていくには圧倒的な「努力」が不可欠なのだということを再認識しました。

まとめ

「楽しく続ける」

この7文字と2ヵ月たっぷり向き合った結果、3つの発見がありました。

・「楽しく続ける」にはまず続けてみるしかない
・「楽しく続ける」からこそ点と点は繋がる
・「楽しく続ける」ことを仕事にするにはプロになる必要がある

ブログと向き合い、仕事と向き合い、生き方と向き合うことで見えてきた「楽しく続ける」ことの意味。2か月の大きな収穫でした。

追伸:もうしばらくブログをお休みします

これから毎日ブログ更新を再開します・・・と言うつもりだったのですが、もう少しこのブログをお休みして、その時間をすべてNGO(e-Education Project)の活動に当てます。

あ、ちょうど今e-Educationでは新しいメンバーを募集していますので、ぜひ以下の募集記事をご覧ください。途上国の教育改革に本気で携わりたいと思っており、「楽しく続ける」ことができる方の応募をお待ちしております。

それでは、また。

@3_wa

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