『ウェブで学ぶ』本という本が誕生した背景を探る。

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誰が、何を、誰に伝えたくて本を書いたのか?

これを知れば本の内容の半分以上把握できたと言えます。

幸いなことに、『ウェブで学ぶ』の著者お2人は、本を出版した背景や本に込めたメッセージをご自身のブログで分かりやすく解説してくれています。

  • 「ウェブで学ぶ」という本を書いた背景について – My Life Between Silicon Valley and Japan
  • 「ウェブで学ぶ」刊行に寄せて – 飯吉透オフィシャルブログ
  • 今回は、本の詳細に触れる前に、この本がどんな本であるのか、この本が生まれた背景と本に込められた想いを紹介しようと思います。

     

    著者2人はどんな人?

    著者お二人は一言でいえばスペシャリスト。そんな2人の経歴と接点をまず紹介します。

    梅田望夫(@mochioumeda)

    梅田さんは一言で言えばウェブのスペシャリスト。シリコンバレーを中心に活動しており、ベンチャーキャピタリストとしても有名な方です。執筆活動も以前からされており、前作『ウェブ進化論』は日本でも大ヒットしました。

    MochioUmeda.comより引用:

    梅田 望夫(うめだ・もちお)

    ミューズ・アソシエイツ社長。パシフィカファンド共同代表。(株)はてな取締役。1960年生まれ。
    慶應義塾大学工学部卒業。東京大学大学院情報科学修士。
    コンサルティング会社「ミューズ・アソシエイツ」をシリコンバレーに設立。
    2000年7月、岡本行夫氏らとベンチャーキャピタル「パシフィカファンド」を設立。
    2005年3月(株)よりはてな取締役。(詳細

    飯吉透(@iiyoshi)

    飯吉さんは一言でいえば教育のスペシャリスト。MITで教育×イノベーションを研究し、オープンエデュケーションという教育方法を世界中に展開するために奮闘されています。e-Educationのアドバイザーにもなって頂いています。

    飯吉透オフィシャルブログより引用:

    飯吉 透

    東京生まれ。国際基督教大学、同大学院教育学研究科を経て、フロリダ州立大学大学院博士課程修了。Ph.D.(教授システム学)。カーネギー財団知識メディア研究所所長、東京大学大学院情報学環客員教授、マサチューセッツ工科大学(MIT)教育イノベーション・テクノロジー局上級ストラテジストなどを経て、現在京都大学高等教育研究開発推進センター教授、北陸先端科学技術大学院大学 大学院教育イニシアティブセンター客員教授。

     

    2人の共通点

    こんなスペシャリストお二人の共通点は、「シリコンバレー」「インターネット」。梅田さんは上で紹介した通りですが、飯吉さんも以前シリコンバレーのカーネギー財団に住んでおり、インターネット×教育について研究されていました。そんな世界の最先端の場所から、日本の教育を2人で見つめ直してみた結果、誕生した本がこの『ウェブで学ぶ』なのです。

     

    この本で一番伝えたいことは?

    何を伝えたかったのか?

    これは本の帯を答えにして良さそうです。

    ウェブの進化 × 教育の進化 = 無限の可能性

    「ウェブ」と「教育」を分けて考えてみましょう。

    ウェブとは?

    梅田さんはウェブを「人生を切り開いていくための強力な道具」と定義しています。

    複雑になった社会では、今ある知識は日に日に古くなっていき、どんどん新しい知識が生まれていきます。つまり、技術や情報等、お金になる知識も常に最新バージョンに更新する必要があるわけです。ウェブを活用することで、人生が開けるということも納得ですね。

    教育とは?

    一方、飯吉さんは教育を「無限の可能性を信じること」と定義しています。

    なかなか思い通りにいかない「運」とは異なり、「学ぶこと」は、そのための「機会」と「必要な助け」さえ得られれば、あとは自分の志や情熱次第で、かなり思い通りになるはずです。学ぶことで人生の選択肢は広がります。無限の可能性に繋がっていくのです。

    ウェブ×教育=?

    無限の可能性を切り開く教育、人生を切り開くためのウェブ、この2つを合わせた一つの答えが「オープンエデュケーション」というムーブメントです。

    インターネットにアクセスできる人であれば、誰もがウェブを使って新しい学びにたどり着き、意見交換をしてお互いに成長することも出来る。場所や時間に縛られず、自分にあった学んだり教えたりすることが出来る。この希望に満ちた「学びの世界」を切り開くのが、オープンエデュケーションなのです。

    以上のことは、「はじめに」と「おわりに」で丁寧に説明されています。まだ読んでいない方は、ぜひ最初と最後だけでも本屋等で読んで頂きたいです。

     

    この本は誰のために?

    今回この本を読んだのは3回目ですが、やはり少し難しいと思ってしまいました。ウェブや教育が世界でどのような流れになっているのか、イメージが出来ないことが大きな理由だと思います。

    だからこそ、この本を読んで「なるほどな〜」と関心するのは教育者・教育研究者・ウェブ関係者ではないかと思いましたが、著者2人の本当の狙いは別にあります。

    本当のターゲットは学生

    お2人のブログで、「学生に届いて嬉しい」という言葉がありました。梅田さんは友人に本をプレゼントするときに友人の娘さん(14歳)の子どもの名前を入れたそうです。飯吉さんも日本の学生からの反応が嬉しくてたまらないとおっしゃっていました。

    [ウェブで学ぶ] – My Life Between Silicon Valley and Japan
    「ウェブで学ぶ」刊行直後の反響 – 飯吉透オフィシャルブログ

    上の言葉から察するに、教育者のみならず全て大人がこの本から学んだことを、高校生など子どもたちに知識をしっかり共有して、一緒に勉強していくことが、真の狙いなのだと思いました。

     

    まとめ

    以上をまとめると、この本は・・・

    ウェブと教育のスペシャリスト2人が
    日々進化するウェブと教育の可能性について
    学生たちを導く大人たちに届けること

    を目的に書いた本です。

    だからこそ、この本の内容を学生の皆さんに届けることが、私を含め読者の人に託された想いでしょう。

     

    One more thing

    ずいぶん前の話になりますが、この本が刊行されたときに道伴舎(旧・道塾)塾長の@u_babaさんが自身のブログで『ウェブで学ぶ』から学んだ「無限の可能性」という記事を書かれました。

    学ぶって何なのか?個人の経験に基づいた素晴らしい書評ですが、私が一番印象に残ったのはある方のコメントでした。

    「オープンエデュケーション」について思うこと。システムやツールも大事だけれど、結局個々人がオープン、つまり「異なるものや未知なるものに常に開かれている」、でないと、結局は意味をなさないよね。そして常にオープンであるためには「自分や他者の無限の可能性を信じること」が必要不可欠なんだと思う。

    このコメントを書いたのが、以前お世話になったマザーハウスの@SS_Sakoさんであることを知ったのはつい最近ですが、このコメントの内容はずっと覚えておりました。

    「オープンエデュケーション」を届ける前に、子どもたちをオープンにする。この本の愛読者として、ぜひともこの本の魅力を多くの学生に届けようと改めて思いました。

    次は『ウェブで学ぶ』の内容を自分なりに整理したまとめを書きます。高校生や大学生でも読みやすいよう、できる限り分かりやすく、丁寧に書こうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

    @3_wa

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